QRコード
QRCODE
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
fufu
オーナーへメッセージ

2014年12月09日

とっては幸い


「いや、それが振り込まれるのが来週だから、ちょっと待ってほしい。」

先日、図らずも『企業の原始的な経済活動』を身近で見聞する機会を得ました。

さい君が、地元の外国人援助団体の依頼により、ある催しで模擬店を出しました。
『お国の特徴的な食べものを』という趣旨だったので、さい君は、①えびせん南半球風、②クッキー南半球風、③緑色のシフォンケーキ南半球風、を何日かかけて調理して用意しました。
当日は、息子を販売助手として連れていきました。その際、さい君は、息子に、手伝ってくれたらお小遣いをあげる、という甘言を弄して彼を助手とすることに成功したようですが、行く前に、僕が、ふと気になって、息子にはいくらあげるつもりか、と尋ねたらさらりと、
「利益の20%。」
と応えました。
なんだそら、親子間の約束としては、ちとドライすぎないか?だいたい、利益が少なかったらどうするんだろう、『1,000円あげるから』くらいでいいんじゃ?
でも、さい君は、
「いや、そういうことを学ぶことも、彼には大事だから。」
と言って平然としています。
さすが、恐るべし、中国系南半球人です。
これは、企業同士の経済活動に敷衍すると、いわば『販売代理店と諾成による(それはそうです、まさか、さしものさい君も、息子と契約書を交わしたりはしてませんから。)成功報酬契約の締結』をした、ということですね。
ちょっと僕にはこういう発想は浮かばないです。

さて、当日、あなうれしや、息子の奮闘もあってか、さい君の三種類の商品は、催し物が終了する前に完売したそうです。ありがたいことです。売上げは、総計6千なにがし円になったそうです。
これは企業活動でいえば、損益計算書に売上げが計上されて、かつ、貸借対照表の借方の『在庫』が綺麗にゼロになっている、ということですね、結構なことです。
一連の販売を終了したさい君は、帰宅すると、息子にあげる『成功報酬』の計算を始めました。
すごい、言葉だけじゃなくて、この人本当に利益の20%をあげるつもりなんだな、と改めて感心しながら、しかし、僕は、黙って、彼女の上下する電卓を叩く指を観察しつつ、同時にさい君が、ぶつぶつとつぶやく『計算根拠』に耳を傾けていました。
「ええと、クッキーの材料は、卵と小麦粉と・・・それからえびせんの材料は・・・それと、袋代とリボン代と・・・」
ずいぶん細かく計算してるなあ、そんなのだいたいでいいんじゃないの・・・。
暫く後、さい君は、『利益は2,600いくら円』という数字を導き出し、ひいては『フジの取り分は520円』と結論づけました。
ここで、僕が興味深かったのは、彼女の利益の計算の仕方です。つまり、彼女は、たいへん細かく計算したとは言え、息子に与える利益の根源を、損益計算書上で言えば、売上高から売上原価をひいた、『売上総利益』をもとにしたんですね。これは息子にとっては幸いだったといえるでしょう。だって、さい君が、さらにその2,600円から、『販売管理費』、-まあ、そんなものは無いに等しいですが、引こうと思ったら、今回の販売活動にかかった『交通費』とか、主たる売り子であったさい君の『当日の人件費』とか、まあ、ひねくりだすことは可能なわけです。-を引いた『営業利益』だの、さらにその下の『経常利益』だの『純利益』だのをもとに息子の『手数料』を計算しなかった、わけですから。
この520円という金額が果たして一日の労働への対価として妥当だったかどうか、はともかく、販売代理店である息子は、母親からの『あんたの取り分は、520円』という通告に素直を喜んでおりました。


同じカテゴリー(生活记事)の記事画像
如今,四海為家
同じカテゴリー(生活记事)の記事
 如今,四海為家 (2016-12-20 18:04)
 江南春雨硯墨陽 (2016-10-18 12:25)
 もなりうるお気楽な (2016-09-20 16:44)
 つかりませんでした (2016-08-19 13:00)
 生命力に溢れた黒猫 (2016-06-15 11:17)
 ことが気がかりです (2016-04-11 18:47)

Posted by fufu at 12:17│Comments(1)生活记事
<%word_all_comments%>
盗作はやめてください。
Posted by あああ at 2015年06月16日 02:38
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。